パッチテストとは、特定の製品や成分が皮膚に触れたときに、接触皮膚炎(かぶれ)などの反応が起きるかを事前に確認するための方法です。この記事は、ヘアカラー(染毛剤)や頭皮用化粧品を使う前に「パッチテスト(皮膚アレルギー試験)」の必要性、正しいやり方、注意点を知りたい一般読者とサロン利用者向けに書かれています。
パッチテストの定義、誰が受けるべきか、家庭用キットと美容院での違い、具体的な手順、48時間ルールの意味や危険サインの見分け方まで、実践的にわかりやすく整理します。
特に染毛剤は「まれに重いアレルギー反応を起こすことがある」「使用前に毎回パッチテストを実施する」といった注意が、行政資料や関連団体の自主基準でも明確に示されています(例:厚生労働省の注意事項、自主基準)。
自宅で安全に準備したい人、サロンで相談するための材料が欲しい人に役立つ内容です。
参考:厚生労働省「染毛剤に添付する文書等に記載する使用上の注意 自主基準」/PMDA「染毛剤の外箱等に表示する注意事項 自主基準(PDF)」
頭皮のパッチテストとは?定義と目的(ヘアカラー・化粧品の反応を確認するテスト)
パッチテストの基本:テスト/試験としての位置づけ
パッチテストは、特定の製品や成分が皮膚に触れたときに、接触皮膚炎(かぶれ)などの反応が起きるかを事前に確認するための方法です。
医療機関で行う「皮膚貼付試験(パッチテスト)」は、原因物質(アレルゲン)を一定時間貼付し、48時間後・72〜96時間後・1週間後など複数回にわたって判定するのが一般的です(遅れて反応が出ることがあるため)。
参考:公益社団法人日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「パッチテストはどのような検査法なのですか?」/東京医科大学 皮膚科学分野「パッチテスト」
一方、ヘアカラーの使用前に行う簡易テスト(製品付属の説明に沿うセルフテスト)は、家庭でも実施できるよう手順が簡略化されています。ただし目的は共通で、「使う前にリスクを下げる」ことにあります。
なお、染毛剤では「30分後」と「48時間後」の2回観察が重要であることが、行政資料や関連団体の手順でも明示されています。
参考:ヘアカラー工業会(JHCIA)「皮膚アレルギー試験(パッチテスト)について」/厚生労働省 資料「毛染めによる皮膚障害(PDF)」
なぜ頭皮で行うのか:髪や皮膚への影響を避けるため
頭皮は皮脂分泌が多く、毛穴(毛包)が密集しているため、同じ成分でも腕や顔とは刺激の出方が違うことがあります。ヘアカラー剤は頭皮・生え際・耳まわり・首筋などに触れやすく、反応が起きると赤み、腫れ、びらん(ただれ)などの皮膚障害につながる可能性があります。
そのため、頭皮そのものにいきなり広範囲で使う前に、腕の内側や耳の後ろなどで少量を用いて反応を確認することが推奨されています。
また、厚生労働省の注意事項では「今まで染毛剤でかぶれたことがある人は使用しない」「使用前に毎回パッチテストを実施する」など、リスクを下げる行動が具体的に示されています。
参考:厚生労働省「染毛剤に添付する文書等に記載する使用上の注意 自主基準(PDF)」
ヘアカラーパッチテストと化粧品パッチテストの違い
ヘアカラー(特に酸化染毛剤)には、アレルギーを起こしやすい酸化染料(例:パラフェニレンジアミン=PPD など)や、刺激になり得るアルカリ剤、過酸化水素などが含まれることがあります。
化粧品も香料や防腐剤などでかぶれが起きる場合はありますが、塗布量・使用部位・放置時間が異なり、評価の考え方も変わります。ヘアカラーは「混合して使う」「一定時間で流す」といった使用形態のため、刺激性の反応と遅延型(時間差で出る)反応の両方を意識する必要があります。
参考:消費者庁「毛染めによる皮膚障害」
| 比較項目 | ヘアカラーパッチテスト | 化粧品パッチテスト |
|---|---|---|
| 代表的な試験部位 | 腕の内側や耳の後ろ、頭皮近傍の皮膚 | 腕の内側や背中など平坦部位 |
| 主な観察期間 | 30分後+48時間後(必要により数日) | 48時間後+72〜96時間後(必要により1週間) |
| 検査目的 | 染毛剤のアレルギーと刺激性の確認 | 化粧品成分による接触皮膚炎の確認 |
| 注意点 | 混合状態で反応が変わる/流す工程がある | 処方・濃度・使用部位で反応が変わる |
誰が受けるべき?アレルギーや過去の症状で判断する必要性
アレルギーの兆候:かぶれ・かゆみ・赤みなどの観察ポイント
パッチテストで注目すべき兆候は、赤み(発赤)、かゆみ、ヒリヒリ感、皮膚の腫れ、丘疹(ぶつぶつ)、小さな水疱(みずぶくれ)、びらん(ただれ)、痛みなどです。
軽い赤みやかゆみでも、時間とともに悪化するケースがあります。特に水疱・浸出液(じゅくじゅく)・広がる腫れが出る場合は強い反応の可能性があるため、ただちに洗い流して使用を中止し、必要に応じて医療機関へ相談してください。
参考:公益社団法人日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「パッチテスト」
また、染毛剤では「皮膚だけでなく全身症状(息苦しさ、めまい等)を経験したことがある人は使用を避ける」旨が注意事項として示されています。呼吸困難、顔面の腫れ、じんましんが急に広がるなどの症状がある場合は緊急性が高いため、ためらわず救急対応を検討してください。
参考:厚生労働省「染毛剤に添付する文書等に記載する使用上の注意(PDF)」
過去に毛染めや染毛でトラブルがあった場合の注意点
過去に毛染めで、かゆみ・赤み・腫れ・ただれなどのトラブルがあった人は、再度染める前に特に慎重な対応が必要です。厚生労働省の注意事項では「今まで染毛剤でかぶれたことのある者は使用しない」と明確に示されており、自己判断での再チャレンジは避けるのが安全です。
加えて、体質は年齢・体調・皮膚状態で変化するため、以前は問題がなくても新たに反応する可能性があります(接触回数が増えることでアレルギー化リスクが高まる可能性も指摘されています)。
参考:厚生労働省 資料「毛染めによる皮膚障害(PDF)」
金属アレルギーや家族歴がある人のリスクと必要性
金属アレルギーやアトピー性皮膚炎など、皮膚が敏感になりやすい背景がある人は、刺激やかぶれが起きやすい傾向があります。家族歴は「必ず起きる」ことを意味しませんが、リスク管理としてテストを丁寧に行う価値があります。
また、医療機関でのパッチテストは原因物質の特定に役立つことがあり、接触皮膚炎の診断では重要な検査として位置づけられています。
参考:日本皮膚科学会「接触皮膚炎診療ガイドライン 2020(PDF)」
- 過去に染毛でかぶれや腫れが出たことがある人(特に注意:使用を避ける旨が示されている)
- アトピーやアレルギー体質、皮膚が荒れやすい人
- 金属アレルギーや皮膚疾患の既往がある人
- 初めて使うメーカー/成分が変わった製品を使う人
正しいやり方:市販キットと美容院での手順比較
市販キットの使い方:具体的な塗布方法と推奨時間
市販のヘアカラー製品では、箱や説明書に「皮膚アレルギー試験(パッチテスト)」の手順が書かれていることが一般的です。代表的な方法は、腕の内側にテスト液を少量塗り、30分後と48時間後に観察する手順です。
重要なのは、説明書どおりの混合比・塗布量・観察タイミングを守ることです。特に、テスト液を塗った部分を絆創膏などで覆わない、摩擦しない、濡らさないといった注意点も示されています。
参考:ヘアカラー工業会(JHCIA)「パッチテストの注意事項(30分後+48時間後、覆わない等)」
美容院でのヘアカラーリング前に行う手順とは
サロンでは、施術で実際に使う薬剤(混合した状態)を想定し、腕の内側や耳の後ろ、襟足近くなどで少量テストを行うことがあります。プロは薬剤の取り扱い、部位選定、異常時の中止判断に慣れているため、「条件の再現性」と「安全側の判断」が取りやすい点がメリットです。
ただし、サロンでも客側が過去の反応歴や体調不良、皮膚の傷・湿疹を伝えないと、十分な予防ができません。厚生労働省の注意事項には、病中・病後、生理時、妊娠中など皮膚が過敏になり得る状態への注意も含まれています。
参考:厚生労働省「使用を避けるべき人・使用前の注意(PDF)」
混合薬剤やトリートメントと併用する際の注意点
ヘアカラーは1剤と2剤を混ぜて使うなど、混合後に化学反応が進むタイプがあります。そのため、単独の成分で陰性でも、混合物(実際の施術条件)で刺激やアレルギー反応が出る可能性があります。
また、前処理剤や頭皮保護剤、トリートメントを併用する場合、皮膚バリアや薬剤の接触状況が変わるため、現実的な条件での確認が望ましい場面があります。サロン利用者は「当日使う予定の組み合わせ」を事前に共有し、テストの方針を相談すると安全性が上がります。
参考:消費者庁「毛染めによる皮膚障害」
| 比較項目 | 市販キット | 美容院でのテスト |
|---|---|---|
| 実施者 | 使用者本人 | 美容師(専門家) |
| 混合状態の再現性 | 説明書に依存(再現できるが手順ミスの余地) | 施術に近い混合でテスト可能 |
| 観察と対応 | 自己観察・自己判断になりやすい | 異常時の中止判断や応急対応が早い |
| メリット | 手軽で購入後すぐに確認できる | 施術条件に近く安全側の判断がしやすい |
| デメリット | 自己流になりやすい/観察の見落とし | 事前予約や追加時間が必要 |
ヘアカラーパッチテストの具体手順(塗布〜放置〜観察まで)
ヘアカラーパッチテストは、実際の施術で使う薬剤を想定した状態で、少量を皮膚に接触させて「塗布 → 放置 → 観察」の順に行います。
ポイントは、(1)手順どおりの混合、(2)観察を2回(30分後+48時間後)行う、(3)途中で異常があれば48時間を待たずに洗い落として中止する、の3点です。
参考:ヘアカラー工業会(JHCIA)「パッチテスト手順・注意事項」/PMDA「注意事項自主基準(PDF)」
部位の選び方:内側の腕か頭皮近く、どこでテストする?
一般的には、腕の内側(前腕内側)や耳の後ろなど、皮膚が比較的薄く観察しやすい場所が選ばれます。頭皮での直接テストは、万一強い反応が出たときのリスクがあるため、まず腕の内側での確認が基本になりやすいです。
サロンでは襟足や耳の後ろなど「実際に触れやすい部位に近い場所」で確認することもありますが、傷・湿疹・ニキビ・かさぶたがある場所は避け、健康な皮膚で行います。
また、厚生労働省の注意事項には「頭、顔、首筋に、はれもの、傷、皮膚病がある者は使用を避ける」等が明示されているため、皮膚トラブルがある日は延期が安全です。
参考:厚生労働省「使用を避けるべき状態(頭・顔・首筋の皮膚トラブル等)(PDF)」
放置時間と観察のコツ:48時間の常識と現実(48時間無理の疑問)
多くのヘアカラー手順では、塗布後「30分後」と「48時間後」の2回観察が推奨されています。これは、短時間で出る刺激反応だけでなく、遅れて出るアレルギー反応を見逃しにくくするためです。
現実として48時間が難しい人もいますが、48時間後の観察は安全の要となるため、可能な限り確保してください。どうしても難しい場合は、染める日をずらす、サロンで事前テストを相談する、医療機関に相談するなど「スケジュールを安全側に組み替える」ほうが合理的です。
参考:厚生労働省 資料「30分後及び48時間後の観察が必要(PDF)」/JHCIA「観察は30分後と48時間後」
観察のコツは、(1)明るい場所で見る、(2)左右差を比べる、(3)写真で記録する、(4)“その場の軽さ”だけで判断しない(翌日に悪化することがある)ことです。特に、かゆみでこすってしまうと刺激が上乗せされ、反応の見分けが難しくなるため触らないようにします。
結果の見方:どの症状で陽性(反応)と判断するか
陽性(使用を避けるべき反応)の目安は、明瞭な赤みの持続、強いかゆみ、丘疹が増える、水疱が出る、ただれ、痛み、腫れが広がるなど「皮膚の変化がはっきり分かる状態」です。
JHCIAの注意事項でも、パッチテスト中に発疹・発赤・かゆみ・水疱などの異常を感じた場合は、すぐに洗い落としてヘアカラーをしないことが明記されています(48時間以前でも同様)。
参考:JHCIA「異常があれば洗い落としてヘアカラーはしない」
| 重症度 | 主な所見(目安) |
|---|---|
| 陰性 | 変化なし/ごく軽微な赤みがすぐ消える |
| 軽度陽性 | 明瞭な赤み、かゆみ、軽い丘疹が持続する |
| 中等度陽性 | 丘疹が増える、小水疱、かゆみが強く続く |
| 高度陽性 | びらん(ただれ)、強い腫れ、浸出、強い痛み |
48時間無理って本当?検査時間・入浴・シャンプーの扱い
「48時間は無理」と感じる人が多いのは事実ですが、48時間は遅延型反応を拾うための重要な目安です。短縮すると、遅れて出る反応を見逃して「大丈夫だと思って染めたら本番で強くかぶれた」というリスクが上がります。
染毛剤による皮膚障害は消費者庁も事故原因調査として取り上げており、周知や注意喚起が継続して行われています。安全を最優先するなら、48時間が確保できる日に実施するのが基本です。
参考:消費者庁「毛染めによる皮膚障害」
48時間の意味と短縮するリスク
遅延型の接触皮膚炎は、時間が経ってから症状が出ることがあります。医療機関のパッチテストでも48時間後に初回判定を行い、その後も複数回評価することが推奨されています。つまり「時間差の反応」が現実にあるため、48時間の観察には意味があります。
また、厚生労働省の資料でも、染毛剤の皮膚アレルギー試験では「30分後」と「48時間後」の観察が必要である旨が示されています。
参考:厚生労働省 資料「30分後及び48時間後の観察(PDF)」/日本皮膚科学会「判定は複数回が推奨」
入浴やシャンプーはいつまで控えるべきか
パッチテスト中は、塗布部位を濡らす・こする・汗で流すといった行為が、観察の正確さを下げます。JHCIAの注意事項でも、パッチテスト中は入浴やシャワーを控える、やむを得ない場合でも塗布部位を濡らさないよう注意することが示されています。
「絶対に入浴できない」と断定するよりも、少なくとも塗布部位が濡れないように工夫し、摩擦を避けることが現実的です。頭皮近くでテストする場合は、当日のシャンプーを避けるか、どうしても必要なら事前にサロンや医療機関へ相談してください。
参考:JHCIA「入浴やシャワーをひかえる/濡らさない」
時間経過で現れる遅発性反応についての注意点
遅発性反応は48時間以降〜数日で強くなることがあります。医療機関のパッチテストでも72時間後や1週間後の判定が行われるのは、遅れて陽性化することがあるためです。
家庭の簡易テストではそこまで追えないこともありますが、少なくとも染めた後数日間は、赤み・かゆみ・腫れが出ないか注意深く観察してください。異常が続く場合は皮膚科受診を検討しましょう。
参考:東京医科大学「48時間後、72時間後、1週間後の判定」
危険サイン(異常)の見分け方:かぶれ・腫れ・その他の合併症
危険サインを見逃すと、強い接触皮膚炎や二次感染につながることがあります。注意すべきは、局所の激しい腫れ、盛り上がる発疹、水疱・ただれ、広がる赤み、強い痛み、発熱・倦怠感などの全身症状です。
特に息苦しさ、めまい、顔の腫れなどが出た場合は緊急性が高いため、直ちに医療機関へ相談してください(判断に迷う場合は救急相談等の活用も検討)。
参考:厚生労働省「息苦しさ、めまい等の経験がある者は使用を避ける(PDF)」
即時反応と遅延反応の違いと時間的特徴(症状の見分け方)
即時反応は塗布直後〜数時間で現れやすく、強いかゆみ、じんましん様の膨疹、熱感などが特徴です。遅延反応は数十時間後に発現し、赤み、丘疹、小水疱、びらんなどを示すことが多いです。
どちらの場合も、症状が出た時刻をメモし、写真で残すと、サロンや医療機関に相談する際に説明がしやすくなります。
参考:日本皮膚科学会「接触皮膚炎診療ガイドライン 2020(PDF)」
重度の反応:腫れや強いかゆみ、皮膚の変化が出たら
重度の局所反応では、著しい腫脹、広範囲の水疱やただれ、強い痛み・かゆみが続くことがあります。こうした場合は、まず薬剤を洗い落として接触を止め、患部をこすらず清潔に保ち、早めに皮膚科へ相談してください。
呼吸困難、顔面腫脹、めまい、意識が遠のく感じ、全身のじんましんなどがある場合は、緊急対応が必要です。
参考:厚生労働省「異常を感じた場合は医師の診療を受ける(PDF)」
知恵袋でよくある相談と専門家の見解の違い
ネット上では「軽い赤みは問題ない」「短時間だけ見れば大丈夫」といった情報が見られますが、専門家の立場では観察期間の遵守と経過観察が重視されます。理由は、遅れて反応が出ることがあるからです。
疑問が残る場合は、皮膚科や信頼できるサロンに相談し、根拠のある手順(説明書、行政資料、専門学会の情報)に沿って判断するのが安全です。
参考:日本皮膚科学会「判定は複数回が推奨」/JHCIA「30分後と48時間後の観察」
- 誤解:短時間だけ確認すれば大丈夫。→ 専門家見解:遅発性反応を確認する観察期間が重要。
- 誤解:一度問題なければずっと安全。→ 専門家見解:体質や皮膚状態は変化するため、毎回の確認が安全側。
- 誤解:自己判断で薬を塗れば治る。→ 専門家見解:症状が強い・広がる・全身症状がある場合は医療機関へ。
パッチテストをしないで染めるリスクと対処法(市販/美容院の違い)
パッチテストを省略して染めると、局所のかぶれや腫れだけでなく、強い接触皮膚炎、ただれ、色素沈着などのリスクが高まります。消費者庁の報告でも、毛染めによる皮膚障害が事故原因調査の対象となっており、注意喚起がなされています。
市販製品を自宅で使う場合は、異常時の判断や対応が遅れやすい点がデメリットです。サロンではプロが見守れる利点がありますが、過去の反応歴や体調・皮膚状態を申告しないと予防が不十分になるため、利用者側の情報共有も重要です。
参考:消費者庁「毛染めによる皮膚障害」
パッチテストをしないで染めた場合に起きうるトラブル(カラー失敗やアレルギー悪化)
テスト省略によるトラブルには、顔や頭皮の強いかぶれ、ただれ、色素沈着、掻破による二次感染、施術中の痛みや不快感の出現などがあります。
また、薬液や洗髪時の洗い液が目に入る事故もあり得るため、説明書の注意事項を守ることが大切です(目に入った場合の対応などは注意事項に具体的に記載されています)。
参考:厚生労働省「目に入った場合の対応等(PDF)」
反応が出たときの応急処置と治療の方法
反応が出たら、まず薬剤を洗い流して接触を止め、患部をこすらず清潔に保ちます。冷やすことで楽になる場合もありますが、症状が強い、広がる、水疱・ただれがある、全身症状がある場合は速やかに医療機関へ相談してください。
市販薬の使用は、症状や既往歴によって不適切になることもあるため、特に中等度以上の症状や顔・まぶたなどのデリケートな部位は自己判断を避け、医師・薬剤師に相談するのが安全です。
参考:厚生労働省「異常時は医師の診療を受ける(PDF)」
- 一次対応:薬剤を洗い流す/こすらない/清潔に保つ/必要に応じて冷却する。
- 相談目安:赤みやかゆみが強い、腫れが広がる、水疱・ただれがある、症状が続く場合は皮膚科へ。
- 緊急目安:息苦しさ、めまい、顔の腫れ、全身のじんましんなどがある場合は緊急対応を検討。
どうしても染めたい場合の代替案とサロンへの希望の伝え方
どうしても髪色を変えたい場合は、リスクの低い代替手段を検討します。酸化染料に反応する人では、ヘアマニキュア、カラートリートメントなど別タイプの選択肢が候補になります。ただし、ヘナ等も体質によって合わない場合があるため、どの方法でも事前確認は重要です。
サロンに行く際は、過去の反応(いつ・どこが・どの程度・どの製品で)を具体的に伝え、パッチテストの実施や頭皮保護の方法、施術計画について相談しましょう。
参考:厚生労働省「使用を避けるべき人・注意事項(PDF)」
- 代替案:ヘアマニキュア、カラートリートメント、ウィッグ、ハイライトでのぼかし等(サロンで相談)
- サロンへの伝え方:症状の時期・部位・使用製品名・経過(写真があると有用)
- お願いの仕方:パッチテスト実施、低刺激設計の提案、施術中の違和感が出たら即中止の共有
毎回パッチテストは必要?頻度と実務的な方法
結論から言うと、染毛剤(特に酸化染毛剤)では「毎回」実施が安全側です。厚生労働省の注意事項でも、アレルギー反応による危害を防止するため「使用前に毎回必ず皮膚アレルギー試験(パッチテスト)を実施する」ことが示されています。
同じ製品を使っていても、体調や皮膚状態の変化で反応が出る可能性があるため、手間より安全を優先するのが基本です。
参考:厚生労働省「使用前に毎回必ずパッチテスト(PDF)」
毎回行うべきケースと行う頻度の目安
特に以下のケースでは毎回の実施が強く推奨されます。初めての製品、久しぶりの染毛、体調変化があるとき、過去に反応があったときは「今回は大丈夫だろう」を避けるのが安全です。
また、病中・病後の回復期、生理時、妊娠中など皮膚が過敏になり得る状態では、使用を避けるべき旨が示されています。自分が該当するか迷う場合は、施術を延期して相談する選択も合理的です。
参考:厚生労働省「皮膚が過敏な状態(病中・病後、生理時、妊娠中等)は使用を避ける(PDF)」
- 毎回推奨:初めて使う製品/メーカー変更/久しぶりの染毛/反応歴がある人
- 体調変化:睡眠不足、発熱、ストレス、肌荒れが強い時は延期も検討
- 皮膚状態:頭皮や生え際に傷・湿疹・炎症がある日は避ける
ヘアカラーリング製品を変えたときにチェックすべき成分と混合の注意
製品を変える際は、アレルギーを起こしやすい成分を意識します。代表例として酸化染料(PPDなど)、トルエンジアミン類、レゾルシノール等が挙げられ、刺激の観点ではアンモニアや過酸化水素、過硫酸塩なども注意点になります。
ただし「成分名を見て自己診断する」ことには限界があるため、反応歴がある人は皮膚科で相談し、必要に応じて医療機関のパッチテスト(原因特定)を検討するのが現実的です。
参考:日本皮膚科学会「接触皮膚炎診療ガイドライン 2020(PDF)」
- 要チェック成分:パラフェニレンジアミン(PPD)、トルエンジアミン類、レゾルシノール等
- 刺激に注意:アンモニア、過酸化水素、過硫酸塩など(製品タイプにより異なる)
- 混合注意:単独で陰性でも、混合物(実施条件)で反応が変わる可能性
来店前に伝えるべき過去の反応と準備方法
サロンに行く前には、過去に「いつ・どの製品で・どの部位に・どんな症状が・どれくらい続いたか」を具体的に整理して伝えます。写真があると説得力が上がり、施術計画も立てやすくなります。
パッチテスト希望を事前に伝えて予約し、低刺激設計の提案や、当日の頭皮状態に応じた延期判断も含めて相談しましょう。
参考:消費者庁「毛染めによる皮膚障害」
- 伝える内容:症状の内容、発現時期、使用製品名、処置の有無、再発の有無
- 準備:写真やメモ、当日の体調(睡眠不足・薬の服用など)の共有
- 注意:頭皮に傷・湿疹・炎症がある日は延期も安全策
Q&A:知恵袋でよく聞く疑問に答える実践FAQ
ここではネット上でよく見られる疑問に対して、実務的かつ根拠のある観点で回答します。
48時間ルールの現実的な運用、市販とサロンのどちらが安全か、痕が残るか、染められなくなる可能性など、判断がぶれやすいポイントを整理します。
根拠は「製品の説明書」「行政資料」「専門学会・専門医療機関の情報」を優先し、経験談だけで意思決定しないことが安全につながります。
参考:厚生労働省(注意事項)/日本皮膚科学会(パッチテスト解説)
「48時間無理」はどう判断すればいい?実際の目安と注意点
48時間の観察が難しい場合は、結論として「染める日程をずらす」のが最も安全です。30分後だけの確認では遅発性反応を拾えない可能性があるため、短縮で済ませるほど本番リスクが上がります。
どうしてもスケジュールが厳しいなら、サロンで事前テストを相談する、医療機関に相談するなど「第三者の目が入る選択肢」を優先してください。
参考:厚労省資料(30分後+48時間後の観察)/JHCIA(30分後+48時間後の観察)
市販とサロン、どちらのパッチテストが安心か?比較ポイント
安全性の観点では、施術条件に近い混合状態でテストでき、異常時に中止判断が早いサロンのほうが安心度は上がりやすいです。一方、市販キットは手軽にできるメリットがあります。
ただし、過去に反応歴がある人、全身症状を経験したことがある人、皮膚状態が不安定な人は、自己実施よりもサロン・医療機関へ相談する方が安全です。
参考:厚生労働省(使用を避けるべき人・注意事項)
| 比較項目 | 市販キット | サロンでのテスト |
|---|---|---|
| 手軽さ | 高い | 中〜低(予約・来店が必要) |
| 施術再現性 | 低〜中(自己手順の正確さに依存) | 高(当日条件に近い) |
| 問題発生時の対応 | 自己判断が必要 | 施術者が即時対応しやすい |
よくある質問:痕が残る?髪を染められないことはある?
強い反応が出た場合、炎症後に色素沈着が残ることがあります。医療機関のパッチテストでも、皮膚の色が変化したり跡が残ったりする可能性があるため、事前に同意のうえで実施する必要があると説明されています。
また、陽性になった成分を含む製品は避ける必要があり、結果として「特定タイプのカラーは使えない」可能性はあります。ただし代替技術(別タイプのカラー、ウィッグ、デザインでの工夫など)は残るため、サロン・皮膚科と相談して現実的な選択肢を探すのがよいでしょう。
参考:日本皮膚科学会(パッチテストのリスク説明)
