梅雨に“髪がぺたん”とする理由──湿気と頭皮環境の密接な関係

梅雨に“髪がぺたん”とする理由──湿気と頭皮環境の密接な関係| 35才から始めるメンズ化粧品 DAVIDIA 髪の実践ガイドと審美的改善 -The "What"-

雨が続く梅雨の季節。「朝セットしたのに、出勤したらもう髪がぺたんこ……」。実はこの“へたり”、単なる湿気だけが原因ではありません。髪内部の水素結合キューティクルの開閉、そして頭皮の皮脂バランスと常在菌が複雑に絡み合っています。35歳前後でハリ・コシ・ボリュームが気になり始めた男性に向けて、科学的エビデンスに基づく現実的な対策をまとめました。

30秒でわかる要点|“ぺたん”は朝5分でリセットできる

  • 3ステップ整髪:根元に温風→冷風で起こす → 形が付いたら冷風で固定 → 面は手ぐしで軽く整える。
  • 薄膜スタイリング:ワックスは米粒〜小豆1個分を手のひらで透明化し、毛先中心にごく薄く
  • 雨の日のコツ:仕上げの冷風を長めに、分け目は固定せずローテーション。
  • 日中の復活:いきなりスプレーではなく、まず根元に風を入れてから整えると持ちが段違い。
相談者さん
相談者さん

湿気で髪が“ぺたん”になる日に、朝5分で何をすれば立ち上がりますか?

ダビディア
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根元に風を入れて起こす→形がついたら冷風で固定→面は軽く整える、の3ステップが基本です。仕上げは薄膜スタイリング(ワックスは米粒〜小豆1個分を手のひらで透明化し、毛先中心に薄く)。一般情報:炎症や急な抜け毛がある場合は受診を。

相談者さん
相談者さん

シャンプーや整髪料はどんな基準で選べば“ぺたん髪”を防げますか?

ダビディア
ダビディア

洗浄力が強すぎないスカルプタイプで頭皮を整えること、整髪料は軽め(ミスト/軽質クリーム)を選び、根元ゼロ・毛先中心に。UVスプレーや就寝前の短時間マッサージも、頭皮を健やかに保つ助けになります(個人差あり)。

梅雨と湿気が髪に与える影響

湿気が髪の毛に及ぼすダメージとは

髪が湿気を吸うと、毛髪内部(コルテックス)の水素結合が切れやすくなり、セットした形が崩れやすくなります。乾く過程で再び水素結合が組み直されますが、空気中の水分が多い梅雨はこの結合が安定しづらく、うねりや広がり、ボリュームダウンにつながります。

梅雨時期の頭皮環境の変化

湿度が高い日は汗と皮脂が増え、頭皮が蒸れやすくなります。すると皮脂の酸化常在真菌(マラセチア)のバランス変化が起こりやすく、かゆみ・フケ・ニオイの温床に。見た目の“ぺたん”は根元が重くなることでも加速します。気象庁によれば、梅雨は「晩春から夏にかけて曇りや雨が多い季節現象」で、水蒸気量の多い帯(梅雨前線)に覆われる時期。物理的に湿潤な空気にさらされるため、毛髪と頭皮の双方が影響を受けます。

湿気による髪のうねりとベタつきの原因

  • 髪の吸湿膨潤→うねり・広がり・キューティクルの浮き。
  • 根元の皮脂+汗→毛束化でボリューム低下
  • スタイリング剤の過量・残留→湿気を引き込みベタつきやすい。

ポイント:うねりやベタつきは「湿度」だけでなく、「髪のダメージ度」と「頭皮の油水バランス」による相互作用。両面から手当てすると改善が早い。

湿気が引き起こす頭皮トラブル

蒸れた環境は、毛穴詰まり皮脂の酸化ストレスマラセチアの増殖などを招きます。フケ・かゆみ・赤みが出たら審美的対策だけでなく、頭皮の清潔と穏やかな洗浄、必要に応じて皮膚科相談を。

頭皮トラブルとその症状

頭皮のかゆみとフケの原因

かゆみ・フケは頭皮環境のサイン。洗浄不足による皮脂蓄積、逆に洗いすぎによるバリア低下、紫外線やスタイリング剤の刺激、そしてマラセチアの関与など、複数要因が折り重なります。フケがべたつく、黄みがかる、赤みやかゆみが強い──この場合は脂漏性皮膚炎の可能性があり、医療機関の評価が有用です。

蒸れによる皮脂分泌の増加

高湿度・高温下では体温調節のため汗・皮脂が増えます。皮脂は時間経過とともに酸化し、頭皮を刺激。梅雨〜夏のUV暴露も酸化ストレスに拍車をかけ、ニオイやかゆみ、ボリューム低下の温床に。

女性に多い頭皮悩みとは

本記事は男性読者を主想定としつつ、同居家族の相談も多いテーマとして女性の悩みに触れておきます。女性では女性型脱毛症(FPHL)や産後の一過性脱毛など、ホルモンやライフステージの影響が強い傾向。分け目の拡大や全体ボリュームダウンは早めの生活整頓と皮膚科相談が安心です。

メンズが抱える頭皮問題

男性は皮脂分泌が比較的旺盛で、スタイリング剤の使用頻度も高め。短髪スタイルでは根元の寝グセやつぶれが目立ちやすく、「ベタつき→ぺたん」の悪循環に陥りがち。梅雨どきは洗いすぎず・残しすぎずのバランスと、朝の根元起こしが鍵です。

効果的な頭皮ケア方法

梅雨時期におすすめのシャンプー

  • 低刺激・適度洗浄のアミノ酸系を軸に(過剰洗浄はNG)。
  • 予洗い2〜3分で汗・ほこりを落としてから少量シャンプー。
  • すすぎ徹底(耳後ろ・後頭部)→残留はベタつき・かゆみの原因。
  • フケ・赤みが続くなら、医師に相談のうえ薬用シャンプーの選択肢。

※湯シャン単独は皮脂・真菌コントロールに不十分な場合あり。症状があるときは自己判断での中止・変更を避け、専門家へ。

関連記事:頭皮の皮脂対策は湯シャンでOK?適切な温度を専門家の見解から考察

頭皮ケアに役立つヘッドスパの効果

サロンの頭皮ケアは、角質・皮脂のリセット、血行促進、リラクゼーションに役立ちます。ただし強擦や過度なスクラブ、熱すぎるスチームはバリア低下の要因。自宅でも再現できるやさしい手技を覚えるのがおすすめです。

関連記事:今すぐ試したい!35歳男性向けヘッドスパの魔法:健康的な頭皮とストレスフリーな生活への第一歩

自宅でできる日常のスカルプマッサージ

入浴後の清潔な状態で、指の腹を使い頭皮を押して・ずらす動きを中心に30〜60秒。こめかみ→側頭部→頭頂→後頭部の順に、筋膜の張りを解くイメージで。

  • 力任せにこすらない(摩擦・炎症の原因)。
  • ローションは無香料・低刺激を少量。
  • 仕上げは冷風で地肌まで乾かし、微湿のまま寝ない。
研究トピック:標準化したスカルプマッサージを継続すると、毛包周辺組織への力学刺激を介し、毛髪の太さ指標が改善したとの報告があります(機械刺激と遺伝子発現の変化を含む)。

頭皮環境を整えるためのトリートメント

髪用トリートメントは中間〜毛先へ。頭皮用は別設計のローション/トニックを。鎮静(アラントイン等)・抗酸化(ビタミンE等)・保湿(ヒアルロン酸等)を軸に、香料・アルコール強めは控えめに。

頭皮ケアのためのシーズンごとの対策

湿度を考慮したヘアケア

整髪は根元に風冷風固定薄膜スタイリング。分け目はローテーションで同一点のつぶれを防ぎます。外出先では携帯用ミストやドライシャンプーで皮脂・汗を一旦リセット。

高温多湿時期の髪の毛の手入れ方法

  • UV対策(帽子・日傘・スプレー):頭皮の炎症・酸化ストレス対策。
  • 帰宅後は早めの洗浄完全乾燥(微湿放置は厳禁)。
  • スタイリング剤は耐湿処方を少量。重ね塗りは避ける。

ダメージを軽減するための栄養補給

  • たんぱく質:ケラチンの材料。魚・卵・大豆をバランス良く。
  • ミネラル:亜鉛・鉄などを過不足なく。
  • 抗酸化:ビタミンC/Eや色の濃い野菜、緑茶など。
  • 睡眠・ストレス管理:自律神経を整え、皮脂・発汗の乱高下を抑制。

リフレッシュ効果のあるクリームやスプレー

メントールなどの使用感と、アルコール濃度・香料の刺激性は別物。清涼感だけを追わず、低刺激設計の地肌用ミスト/ローションを少量から試し、必要時のみ使いましょう。

普段からできる頭皮ケアの実践

清潔を保つための洗髪方法

  1. 予洗い2〜3分で汗・汚れの7割を落とす。
  2. 少量シャンプーを泡立てて、指の腹で頭皮を優しく洗う。
  3. すすぎ徹底(特に耳後ろ・後頭部)。
  4. タオルドライ根元からドライヤー冷風で完全乾燥

熱すぎるお湯(>40℃)はバリア低下の原因。ぬるめが基本。

ストレス軽減とリラックス法

軽い有酸素運動、入浴、呼吸・瞑想、デジタルの就寝前オフなどをルーティンに。睡眠は「時間×質」。起床時刻の固定と、就床90分前の入浴(目安:40℃×10〜15分)が有効です。

血行促進に効果がある習慣

  • 首肩ストレッチ(カチコチ肩は頭皮の血行不良のもと)。
  • 就寝前1分のやさしい頭皮ほぐし。
  • 入浴後の冷温切替シャワー(刺激は軽めに)。

健康な地肌を保つための生活習慣

  • 喫煙は控える、飲酒は適量
  • 高糖質・高脂質の連続を避け、バランス食へ。
  • UV皮脂トリプル対策を日中ルーチンに。

朝5分のボリューム“復活ルーティン”

  1. リセット:根元だけを霧吹き or ドライシャンプーで軽く湿らせる/皮脂を吸わせる。
  2. 起こす温風で根元の毛流れを左右・前後に交差ドライ → ふくらみの土台を作る。
  3. 固定冷風で形状をキープ。ここまでで7割完成。
  4. 薄膜:ワックスは米粒〜小豆1個分を透明化→毛先中心に。根元は触れないのが鉄則。
  5. 仕上げ:耐湿ミストを空中にふわっと。近距離噴霧は重くなるので避ける。

関連記事:3分で20%血流がアップする「頭皮マッサージは本当に効く?」──血流と髪の関係を科学で解く

よくある質問

Q. 梅雨は「湿気のせい」だけで髪がつぶれる?

A. いいえ。湿度はトリガーですが、髪のダメージ(高吸湿)頭皮の皮脂状態が合わさって“ぺたん”になります。髪と頭皮を同時にケアするのが近道。

Q. 湯シャンは頭皮にやさしい?

A. 皮脂・真菌コントロールが必要なときは不十分なことがあり、症状があるときは非推奨。低刺激洗浄を基本に、状態に応じて医師と相談を。

Q. マッサージで髪は太くなる?

A. 適切な力学刺激を一定期間続けると、毛髪太さの指標が改善した研究報告があります。ただし個人差が大きく、強擦や長時間は逆効果になり得ます。

Q. 女性は梅雨にどんな悩みが出やすい?

A. 分け目が目立つびまん性のボリュームダウンなど。女性型脱毛症(FPHL)は専門的評価が有益です。生活整頓と地肌ケアの併用を。

今日の確認テスト

5問中4問以上正解で合格です。答え合わせ後には正誤と解説が表示されます。

Q1. 湿度が高いと、髪の形を保つ何が弱まりセットが崩れやすくなる?
解説:湿気によって髪内部の水素結合が切れやすくなり、セットが戻りにくくなります。キューティクルも開きやすくなり外部水分を吸ってうねりやボリュームダウンにつながります。
Q2. 本文の「朝5分」での整え方として正しい順番はどれ?
解説:まず根元に風を入れて立ち上げ、形がついたら冷風で固定し、最後に表面をサッと整える流れが推奨されています。
Q3. 薄膜スタイリングで推奨されるワックスの使用量の目安は?
解説:ワックスは米粒〜小豆1個分を手のひらで透明化してから、毛先中心に薄くのばすのがコツです。
Q4. 日中にヘアスタイルを復活させたいとき、スプレー前に行うと持ちが良いのは?
解説:スプレーの前に根元へ風を入れてから整えると、スタイルの持ちが良くなります。
Q5. 梅雨の「髪ぺた」対策として本文がすすめる整髪料のタイプは?
解説:湿気を吸いやすい重めの剤は逆効果になりやすいため注意。軽めのミストタイプが勧められています。紫外線対策や就寝前の頭皮マッサージも有効です。

参考文献・出典

  1. University of Maryland, Baltimore County(UMBC). Why Does Your Hair Curl In The Summer?(髪の水素結合と湿度の関係の一般解説)
  2. American Chemical Society / J. Phys. Chem. B. Relevance and Evaluation of Hydrogen and Disulfide Bond Interactions in Keratin(ケラチンにおける結合と湿度の影響)
  3. University of Virginia, College of Arts & Sciences. Chemistry of Wellness: Hair and Hair Care(水・熱と水素結合の再構築)
  4. 気象庁(JMA). 季節現象:梅雨過去の梅雨入りと梅雨明け前線の定義と解析(梅雨前線)[PDF]
  5. 日本皮膚科学会. 皮膚真菌症診療ガイドライン 2019[PDF](マラセチア関連疾患の整理)
  6. National Institutes of Health / PubMed Central. Standardized Scalp Massage Results in Increased Hair Thickness (2016)Self-Assessments of Standardized Scalp Massages (2019)
  7. 厚生労働省 e-ヘルスネット(Hearts). 睡眠と健康ストレス(用語解説)快眠と生活習慣
  8. J-STAGE(査読誌). 皮膚のアンチエイジング(UVAと酸化ストレス)
  9. 日本皮膚科学会. 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017[PDF](FPHLの枠組み)

※上記リンクは公開時点での有効性を確認しています。医療は個別性が高く、症状がある場合は必ず医療機関で評価を受けてください。

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