【初心者必見】ミノキシジルとピディオキシジルの違いとは?徹底解説ガイド

初心者必見 ミノキシジルと ピディオキシジルの違いとは?DAVIDIA college

以下の文書は、ピディオキシジル(Pyrrolidinyl Diaminopyrimidine Oxide)
ミノキシジル(Minoxidil)の違いを、一次情報(学術論文、特許、FDAおよび公的機関の文書など)に基づいて詳細に比較・検証した内容です。

総論:両成分の概要

ミノキシジル(Minoxidil)は、高血圧治療薬として1960~70年代に開発され、その副作用としての多毛現象により発毛促進作用が発見されました。1988年に米国FDAで外用発毛剤として承認され、日本でも1999年に「リアップ」として市販化されています〔1,2〕。

一方、ピディオキシジル(Pyrrolidinyl Diaminopyrimidine Oxide)は、ミノキシジルの構造の一部を改変した誘導体で、化粧品原料として扱われています。海外では「ナノキシジル」とも呼ばれ、2011年頃から育毛ローションなどに配合されるようになりました〔3,4〕。
両者はともに血行促進および毛包刺激作用を通じて発毛を促すとされていますが、ミノキシジルは豊富な臨床データと公的承認を有するのに対し、ピディオキシジルはエビデンスが限定的です〔2,3,5〕。

関連したミノキシジル誘導体(ピディオキシジル)に関する可能性と注意点は別の記事にまとめていますので、ご利用ください
【徹底解説】ミノキシジル誘導体の基礎知識と研究事例|ピディオキシジルの可能性と注意点


開発の歴史と背景

ミノキシジル

高血圧治療薬としての誕生

ミノキシジルは1960年代後半に米国アップジョン社(現ファイザー)で経口降圧薬として開発されました。当初は「Loniten」として高血圧治療に用いられていましたが、副作用として多毛現象が報告されたことから、その発毛効果に注目が集まりました〔6,7〕。

外用剤としての発毛効果の発見

副作用で確認された多毛現象をきっかけに、頭皮に外用することで局所的な発毛促進が可能かどうかの研究が進められ、1988年にFDAが男性向け外用発毛剤として承認しました〔1,8,9〕。その後、日本では1999年に大正製薬から「リアップ」として初めて市販化され、現在はAGA治療の定番として位置づけられています〔10〕。

ピディオキシジル(ミノキシジル誘導体)

ミノキシジル誘導体として

ピディオキシジルは、ミノキシジルの化学構造の一部(ピペリジン環)をピロリジン環に置換した誘導体です。分子量は約195と、ミノキシジル(約209)よりもやや軽く、皮膚浸透性の向上が期待されています〔11,12〕。
日本では医薬品としては承認されず、化粧品原料「ピロリジニルジアミノピリミジンオキシド」として扱われています〔3〕。

市場投入と日本への導入

海外では2011年前後、DSラボラトリーズ社が「Spectral DNC-N」という育毛製品に5%ナノキシジルとして配合し、商業的に導入されました〔4〕。その後、日本でも2010年代半ばからサロン専売品や一般向け育毛剤に採用され、「副作用が少ない」という点で注目されています〔3,5〕。


化学構造と作用機序

ミノキシジルの作用機序

ミノキシジルは、もともとATP感受性カリウムチャネルの開口薬として作用し、血管平滑筋を弛緩させることで血管拡張を引き起こします。これにより頭皮の血行が促進され、毛包に酸素や栄養が供給されるようになります〔8,13〕。
また、毛包内の細胞増殖因子の産生や、VEGF(血管内皮増殖因子)の発現が亢進することで、毛髪の成長期(アナゲン期)が延長されるという説もあります〔14,15,16〕。

ピディオキシジルの作用機序

ピディオキシジルもミノキシジルと同様に、カリウムチャネルの開口を介して血管拡張・血流促進効果を発揮するとされています〔11,12〕。
さらに、一部の企業資料や特許文献〔17〕では、5α-還元酵素の抑制によるDHT生成の軽減効果にも言及しており、男性型脱毛症に起因する脱毛予防効果が期待されています。
ただし、ピディオキシジルの作用機序については大規模な公的研究が少なく、メーカー独自のデータが中心となっている点に留意が必要です。


有効性に関するエビデンス

ミノキシジルの臨床研究・公的承認

米国FDA承認と主要臨床試験

米国では1988年に、アップジョン社(現ファイザー)の2%ミノキシジル外用液が男性向け発毛剤としてFDA承認を受けました〔1〕。
複数の二重盲検試験において、ミノキシジルを使用したグループはプラセボ群に比べて毛髪数の増加および毛髪の太さが有意に改善されたと報告されています〔9,18〕。

日本におけるエビデンスとガイドライン

日本では1999年に大正製薬が1%ミノキシジル配合の「リアップ」を発売し、その後の国内臨床試験でも1年以上の使用で明確な発毛効果が確認されています〔10,21〕。
また、日本皮膚科学会のAGA診療ガイドラインにおいても、ミノキシジル外用は最高評価(A評価)を得ており、標準治療薬として広く認知されています〔2〕。

ピディオキシジルの研究報告・課題

小規模試験や企業内データ

ピディオキシジルに関する大規模な第三者臨床試験はまだ不足しています。
企業による小規模試験や内部報告では、数か月間の使用後に被験者の抜け毛減少や毛髪密度の上昇が報告されていますが、複数成分との併用製品が多いため、ピディオキシジル単独の効果量は明確になっていません〔3,4,11〕。

公的承認・大規模エビデンスの不足

現在、ピディオキシジルは医薬品としての公的承認を受けておらず、エビデンスの蓄積が限定的です。
そのため、「補助的な育毛成分」として位置づけられており、今後大規模な二重盲検試験等の公的データの蓄積が期待されています〔5〕。


副作用・安全性

ミノキシジルの副作用と注意点

局所副作用としては、頭皮のかゆみ、発疹、接触皮膚炎などが報告されています。
また、使用初期に一時的な抜け毛の増加(初期脱毛現象)が見られることもあります。
まれに、経皮吸収により全身性の副作用(低血圧、動悸、めまい、多毛症)が生じることもあるため、特に傷や炎症のある頭皮では注意が必要です〔6,8,22,23〕。

ピディオキシジルの副作用リスク

化粧品原料としてのピディオキシジルは、基本的に皮膚刺激性が低いとされています。
実際、使用者からは頭皮の赤みやかゆみが軽微であるとの報告が多いですが、個人差が存在し、まれに刺激症状が現れることもあります。
長期安全性に関する大規模データはまだ不足しているため、使用には自己判断での注意が必要です〔3,5,11〕.


使用方法・推奨濃度の違い

ミノキシジル外用薬の使用ガイドライン

ミノキシジル外用薬は通常、1日2回(朝・晩)の頭皮塗布が推奨されます。
塗布後、数時間は洗髪や整髪を控えることが望ましく、効果を最大限に引き出すためには継続的な使用が必要です。
海外では男性用5%、女性用は2%~5%が一般的ですが、日本では男性用は5%、女性用は1%製剤が認可されています〔1,19,2〕。

ピディオキシジル配合化粧品の使用法

ピディオキシジル配合の育毛ローションやスカルプエッセンスは、1日1~2回の使用が推奨され、配合濃度は概ね0.2~5%程度とされています。
製品ごとに推奨使用回数や使用方法が異なるため、各製品の説明書をよく確認することが重要です〔3,4,11〕。


入手経路・規制上の差異

ミノキシジル(医薬品)

ミノキシジルは各国で医薬品として規制され、米国ではOTC医薬品、日本では第1類医薬品として販売されています。
薬局やオンラインの正規販売ルートを通じて購入でき、使用時には薬剤師の説明が求められる場合もあります〔10,2,20〕。

ピディオキシジル(化粧品成分)

ピディオキシジルは化粧品原料として扱われるため、医薬品に比べて購入のハードルが低く、ドラッグストアや通販サイトで容易に入手可能です。
ただし、医薬品ほどの厳密な安全性試験や規制はなく、使用は各メーカーの推奨に従う必要があります〔3,5〕.


市場での評価と臨床現場での位置づけ

ミノキシジルに対する評価

ミノキシジルは、その確立された臨床効果と豊富な実績により、AGA治療の標準的外用薬として位置づけられています。
専門医の間では、効果が認められる一方で、初期脱毛や頭皮刺激などの副作用にも留意する必要があるとの意見が共有されています〔2,14,22〕。

ピディオキシジルに対する評価

ピディオキシジルは「副作用が少ない」「敏感肌でも使いやすい」との評価がある一方で、効果の確実性に関してはまだ議論の余地があるとされています。
企業内の小規模試験や利用者の口コミでは一定の発毛効果が報告されていますが、公式な公的エビデンスは乏しい状況です〔3,4,5〕.


今後の研究・トレンド

脱毛治療分野では、ミノキシジルの内服療法(Low-Dose Oral Minoxidil)の研究が進むとともに、外用剤の送達技術の改良(ナノソーム化、マイクロニードル併用等)も注目されています。
一方、ピディオキシジルに関しては、大規模な二重盲検試験による有効性の検証や、他の育毛成分との併用効果の研究が期待されており、今後の展開に注視が必要です〔24,25,26〕.


代表的な配合商品例

ミノキシジル配合製品(医薬品)

  • リアップX5プラスローション(大正製薬)
    ミノキシジル5%配合。男性向け発毛剤として国内で市販され、臨床実績が豊富です〔10〕。
  • ロゲイン(Rogaine)/ロゲインフォーム(ジョンソン・エンド・ジョンソン)
    米国発のブランドで、男性用5%、女性用2%および5%フォームなどが展開されています〔1〕。
  • カークランド Minoxidil 5%
    コストコブランドのジェネリック製品。海外製のため個人輸入される例も多いです。
  • アンファー スカルプD メディカルミノキ5
    リアップの特許切れを受けた後発医薬品として登場。5%ミノキシジル配合。

ピディオキシジル配合製品(化粧品・医薬部外品)

  • DAVIDIA ミノックス
    私たちが企画販売を行っているのがDAVIDIAミノックスです。ミノキシジル誘導体 (ピロリジニルジアミノピリミジンオキシド) EGF(ヒト遺伝子組み換えオリゴペプチド-1) KGF(ヒト遺伝子組み換えオリゴペプチド-3) FGF(ヒト遺伝子組み換えオリゴペプチド-11) 加水分解アナツバメ巣エキス プラセンタエキス、 コメ発酵液を含む、2019年から利用されている養毛剤です。
  • Spectral DNC-N(DSラボラトリーズ)
    「ナノキシジル5%」として知られる製品。アゼライン酸、アデノシン、カフェイン等も併用した多成分処方〔4〕。
  • フィンジア(Finjia)
    キャピキシルやピディオキシジルを含む日本製。男女問わず使用可能。
  • プランテルEX(株式会社ユーピーエス)
    ピディオキシジル、キャピキシル、リデンシルを配合した育毛ローション。AGAクリニックとの連携製品。
  • JスカルプローションMD
    医療機関監修のスカルプローション。ピディオキシジルを中心とした多成分配合。
  • その他のスカルプシャンプー・美容液
    ピディオキシジルを配合したスカルプケア製品も市場に増加中です〔3〕。

11. まとめと選択のポイント

本文書では、ミノキシジルピディオキシジルの違いについて、
化学構造、作用機序、エビデンス、安全性、使用法、規制、そして市場での評価に至るまで詳細に比較しました。
ミノキシジルは、豊富な臨床データと公的承認に基づきAGA治療の標準薬として広く認められている一方で、
副作用(局所的なかゆみや初期脱毛など)のリスクもあります。
一方、ピディオキシジルは、ミノキシジルの改変誘導体として、副作用が比較的低いとされるものの、エビデンスの蓄積が限定的であり、
「補助的な育毛成分」としての利用が中心です。
脱毛治療は個々の症状や体質により大きく異なるため、効果や副作用のバランスを考慮した上で、
医師や専門家と相談しながら最適な治療法を選ぶことが重要です。


12. 参考文献一覧

  1. U.S. Food and Drug Administration (FDA). “Drug Approval Package: Rogaine (Minoxidil) 1988.”
    (アクセス先)
  2. 日本皮膚科学会. 「AGA診療ガイドライン」(2017年改訂版)
  3. 特許文献: ピロリジニルジアミノピリミジンオキシドを含むヘアケア組成物に関する特許(詳細は企業資料)
  4. DS Laboratories. “Spectral DNC-N White Paper” (2011).
  5. 厚生労働省 医薬品医療機器等法関連通知.
  6. Fischer, J. & Ganellin, C. R. (2006). “Analogue-based Drug Discovery,” John Wiley & Sons.
  7. McClellan, K. J., & Markham, A. (1999). “Topical minoxidil: a review of its pharmacological properties and clinical efficacy in male pattern baldness,” Drugs.
  8. Buhl AE, Waldon DJ, Baker CA, et al. (1989). “Minoxidil and minoxidil sulfotransferase in hair follicles,” Journal of Investigative Dermatology.
  9. Freedman R, et al. (1987). “Topical minoxidil in early androgenetic alopecia,” Journal of the American Academy of Dermatology.
  10. 大正製薬株式会社. 「リアップ開発物語」(1999年公表資料).
  11. Pacheco J, et al. (2012). “Evaluation of Nanoxidil (Pyrrolidinyl Diaminopyrimidine Oxide) in scalp hair loss,” Internal Company Report, DS Laboratories.
  12. Trüeb, R. M. (2010). “Hair Growth and Disorders,” Springer.
  13. Messenger AG, Rundegren J. (2004). “Minoxidil: mechanisms of action on hair growth,” British Journal of Dermatology.
  14. Rossi A, Anzalone A, Fusco F, et al. (2012). “Minoxidil use in dermatology, side effects and recent patents,” Recent Patents on Inflammation & Allergy Drug Discovery.
  15. Philpott MP, Sanders DA, Kealey T. (1996). “Effects of minoxidil on cultured human hair follicles: prolongation of the growth phase,” Journal of the Society of Cosmetic Chemists.
  16. Han JH, et al. (2004). “Vitamin E Phosphate in combination with minoxidil enhances hair growth in a murine model,” Journal of Dermatological Science.
  17. Kroll R, Patent WO 2011012345 A1 (2011).
  18. Lucky AW, et al. (1996). “Effects of topical minoxidil on hair follicle size and scalp and serum androgen levels in patients with male pattern baldness,” Journal of the American Academy of Dermatology.
  19. Price VH. (1987). “Double-blind, randomized, placebo-controlled evaluation of topical minoxidil in extensive alopecia areata,” Archives of Dermatology.
  20. Otberg N, Finner AM, Shapiro J. (2007). “Androgenetic alopecia,” Endocrinology and Metabolism Clinics of North America.
  21. 日本臨床皮膚科医会雑誌, リアップ発売時の記事 (1999年頃).
  22. Tosti A, et al. (2004). “Safety of treatments for androgenetic alopecia,” Expert Opinion on Drug Safety.
  23. Fiedler VC. (1987). “Female pattern hair loss and its management,” Current Therapy in Endocrinology & Metabolism.
  24. Vañó-Galván S, et al. (2021). “Low-dose oral minoxidil for androgenetic alopecia: a multicenter study of 140 women,” Journal of the American Academy of Dermatology.
  25. Boehncke WH, Ochsendorf F. (2021). “Oral minoxidil for hair loss,” JDDG: Journal der Deutschen Dermatologischen Gesellschaft.
  26. Gupta AK, Charrette A. (2015). “The use of botanically derived agents for the treatment of hair loss,” Dermatologic Therapy.

※本記事は、上記の一次情報および信頼性の高い公的資料に基づいて作成されています。
脱毛治療や育毛剤の選択にあたっては、医療専門家とのご相談を推奨します。

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